UTMBシリーズのTDS コース概要

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TDSは、かつて中世から近代にかけて広大な地域を統治していたサヴォイア家の足跡をたどるコースを巡ります。イタリアのクールマイユールをスタートし、フランスのシャモニーをゴールとするこのルートは、アオスタ渓谷とサヴォワ渓谷を結び、モンブラン周辺の壮大な自然を背景に走ることができます。サヴォイア家の歴史的な影響を感じながら、技術的に難易度の高い山岳地帯を駆け抜けることで、参加者にとっては身体的な挑戦だけでなく、文化的な旅でもあるTDS。歴史と自然の美しさが交錯するこの特別なレースで、あなたも新たな冒険に挑んでみませんか?

こんにちは!タグゾウです。
今回は、UTMBシリーズの中でも過酷と言われるTDS(Sur les Traces des Ducs de Savoie サボワ侯爵の散歩道)について、昨年の経験を基に詳しくお話しします。

TDSの概要

TDSは、距離約150km(昨年は160km程度)、累積標高約9300mの過酷なウルトラトレイルレースです。イタリアのクールマイユールからスタートし、フランスのシャモニーでゴールを迎えます。UTMBシリーズの中で唯一、反時計回りのコースを採用しているのが特徴です。

TDSのコース

コースの特徴と注意点

  1. スタート(クールマイユール)
    夜12時にスタートします(昨年の実際は12:20頃)。クールマイユールの街を走り抜け、UTMBコースを逆走するところから始まります。

  2. 初期段階(0-14km)
    コースは整備されており走りやすいですが、林道の傾斜がきつく走るのはしんどいのでトップ選手でもない限り歩きになります。10km地点付近のピークでは渋滞する可能性があります。

  3. 山岳区間(49.8km-91.2km)
    ブールサンモーリス(49.8km)からボーフォール(91.2km)までが、このレースの核心部となります。山と草原しかないヨーロッパ特有の景色も最高です、同時に最も過酷な区間です。特に72.4km付近は美しさと危険さが共存する場所なので、注意が必要です。

  4. 後半(91.2km-ゴール)
    ボーフォールからの20kmは林道が続き、私は真夜中だったため眠気との戦いでした。136kmからはロードに出て、ラスト15kmはロードです!

TDSのレース中に見える景色

重要なポイント

  1. 気候対策
    TDSの最大の特徴は、気候の変化が激しいことです。暑いと直射日光が肌を焼くため30度近い気温に苦しめられます。一方で寒いと0度以下になることもあるため、防寒対策は万全に整える必要があります。
    特にレインは重要で、厚手のレインジャケット(例:モンベルのストームクルーザー)や、インナー手袋とメリノウールの手袋などを準備しましょう。メリノウールの手袋はあまり海外で見かけません。

  2. 睡眠戦略
    夜12時スタートのため、トップ選手でない限り2晩目を迎えることが確実になります。そのためどこで寝るかの眠気対策が重要になります。ボーフォール(91.2km)での仮眠を検討するのも一案です。

  3. 装備
    基本的な装備は現地でも購入可能ですが、メリノウール手袋などの特殊な装備は事前に準備しておくことをおすすめします。

  4. ペース配分
    TDSの特徴は、長い上り下りが続くことです。自分のペースを守り、無理をしないことが重要です。特にラスト15kmは走りやすいので、そこまで脚を温存することを心がけましょう。

  5. NAAKのスペシャルドリンクは最後まで飲めたので個人的におすすめです。

コースの見どころ

  1. ブールサンモーリス(49.8km)
    街全体が盛大に盛り上がり、ランナーを応援してくれます。ここまでの区間は昨年はとても寒く0度ぐらいでした。標高が下がり気温が暖かくなたこともありこの街の雰囲気で元気をもらえました。

  2. 72km付近の絶景ポイント
    全体的に晴れれば景色は素晴らしいのですが、写真を撮るならやっぱりここかな〜。右側は岩が切れ落ちていて、眺めは素晴らしいのですが、同時に危険も伴うので注意が必要です。

  3. ボーフォールからの林道(91.2km-114km)
    この区間は多くのランナーが夜中に通過することになります。眠気との戦いになりますが、夜明けとともに元気を取り戻せるはずです。コースを通じて林道は多いが転がって寝るには夜は寒いと思います。

ブールサンモーリスのイメージ

最後に

TDSは、美しい景色と過酷なコースと言われますが、走れる林道が多い印象です。参加要件が低くエントリーすれば今の所・・無抽選で出れるところが最大の良いところです。その上ストーンも4(2024年から)。
長い上り下りが続き、「こんな上り(下り)がずっと続くのか」と思うこともあるでしょう。しかし、それこそがヨーロッパの山!そしてTDSの魅力です。十分な準備と適切な戦略で、楽しんでください。

装備の準備、特に防寒対策には十分注意を払いましょう。寒さで体調を崩すと、レース全体のパフォーマンスに大きく影響します。現地のシャモニーでも装備の追加購入は可能ですが、特殊なものは事前に用意しておくことをおすすめします。

TDSは過酷ですが、同時に非常に魅力的なレースです。皆さんのTDS挑戦が素晴らしい経験となりますように。それでは、良いトレイルランニングを!

お知らせ

  1. 京都グレートラウンド(12月29日、30日)のエントリーが開始しました。 ページはこちらです(ボランティアの募集も行っております)
  2. 石舞台100(エントリーは9月1日〜)が今年から120キロ部門になりました。新しいコース設計で、より楽しめる大会を目指しています。ページはこちらです。

詳細は新しくなったホームページでご確認ください。皆さまのご参加、ご協力をお待ちして

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